新型コロナウイルス一色となった2020年も残り4カ月。
これからコロナも経済もどうなっていくのかとても気になるところです。
新型コロナウイルスが騒がれるようになって早くも半年。
そんなわけで今回は半年経過時点のコロナ禍における経済状況や今後の対応策などについて検討してみたいしたい思います。

新型コロナウイルス感染症による経済への影響

全体的な影響

今回のコロナショックのインパクトはとても大きく、先月発表された今年4~6月期のGDPは前年比年率27.8減という戦後最悪の落ち込みを記録しました。
実際にこの時期に収益的なダメージを受けた企業は多く、前年同月比で売上が半分以下になる企業が続出することとなりました。
とりあえずこの最悪期は借入や給付金などの財政出動で「なんとか凌いだ」という表現が正しいと思います。
そしてこの最悪期から脱しつつありながらも、まだ将来への不安が消えていないというのが現在の状況なのかと思います。
売上が戻りつつある企業もあれば、まだ完全に戻らない企業もあります。
コロナによる影響は企業により様々ですが、すでにコロナ発生から半年が経過しており、未だに売上が戻らない企業は根本的な改善をすべきであることは間違いありません。
それができない企業については、残念ながら倒産や廃業に追い込まれてしまう可能性が高くなりそうです。


業種ごとの影響

仕事を通じて関与先企業やその取引先、協力企業の方など様々な方と情報交換させていただいております。
今年は特にまめな情報交換が大事だなと感じていたので、積極的にお話をお聞きするようにしています。
仙台で実際にいろいろな方とお会いして集めた情報を業種ごとにまとめて報告させていただきます。

飲食関連

飲食業は当然のことながら全体的に厳しい状況が続いています。
今月も国分町では相当数の閉店が見込まれていると言われています。
そんな中、わずかなダメージは受けているものの奮闘している飲食店もたくさんあります。
特徴は少人数、アットホーム感、人とのつながりなどを大切にしている個人や家族向けのお店です。
逆に大人数、機械的、会社や団体が利用していたお店は苦戦しています。

また飲食店を対象にビジネスをしている企業は、全体的にかなりの売上減少となっています。
飲食業全体で見れば大幅な売上減少は間違いないので、飲食店単体よりもこちらの状況の方が深刻です。
飲食店でもテイクアウトや宅配に対応できたお店はその分の売上を増やしています。
ただしすべてのお店が成功しているわけでないところが、テイクアウトや宅配の難しいところです。

不動産関連

不動産関係の方とお話しすると今は結構忙しいみたいです。緊急事態宣言が発令された春頃には売買などが完全にストップしたようですが、その後は売りたい・買いたいという需要が多くなり意外と活況のようです。
世の中が大きく動くと不動産も流通しやすくなるということなのかもしれません。将来不安や資金繰りの関係で手放したい人が増え、それを安く買いたい人が買っていくという構図のようです。

建設関連

建設・工事関連は総じて堅調です。皆さん今まで通り忙しくお仕事されています。一瞬だけ材料が入らないとかで工事がストップしましたが、今はあまり問題ないような状況です。
ただこれからは工事業は冷え込む可能性が高いと皆さん心配されています。
今後どうなるかは引き続き注意が必要です。

販売業

販売関連は一括りに判断できませんが、小売店減少・通信販売増加という傾向が強くなっています。
また家族が家庭単位で楽しむためのものは増加傾向で外出用の商品は減少傾向です。
具体的にはホットケーキの粉が売れる一方、口紅・酔い止め薬などが売れなくなったようです。
生活スタイルの変化が消費にも影響しています。

その他

直接聞いた話の中で注目すべきものをいくつか紹介したいと思います。

・テレワークが増えて自宅の改修が流行っている
・同じくパソコン周りの機器が売れている
・換気をするために網戸の問い合わせが増えている
・交際費・旅費が大幅に減少して逆に利益が出ている
・無駄な残業や中間管理職が浮き彫りになった

後半の方は無駄な支出が浮き彫りになってしまった感じですが、今後経営をしていくうえで見直しが必要になりそうです。

今後の対応策

上記の現状を踏まえて今後の対応策を検討してみたいと思います。
この現状を分析するといくつかのキーワードがあることに気づきます。

少人数・家族・個人単位

まずは少人数・家族・個人単位での行動が増えるということです。
インドアだろうがアウトドアだろうが大人数は敬遠され、少人数化が進んでいます。

この流れは様々なビジネスで無視できないトピックかと思います。

飲食店も少人数・家族向けなどに変換することで生き残ることごできる可能性が高くなりそうです。
個人または家族単位で楽しめるものはこれからもっと強くなるように思われます。
ホットケーキの粉が売れたように家族で料理を作ったり、個人または家族単位で動画やゲームを楽しんだりという需要はますます増えそうです。

環境への対応

換気・除菌などへの意識が高まることによりその関連商品や関連サービスが注目されそうです。
様々な業種で抗菌や除菌に関する商品やサービスを追加するのは新しいビジネスチャンスとなるかもしれません。
換気の必要性により網戸の問い合わせが増えているという話をしましたが、同じように換気による不都合に対応する商品やサービスも面白そうです。

見栄→実質

人と会う機会が減り、見栄を張ったり無駄におしゃれする必要がなくなってきています。現に化粧品など自分を着飾る商品の売上は減少しています。
これからは本当に会いたいあまり着飾る必要がない人との時間を大切にする時代になるのではないでしょうか。
そのような変化も新しいビジネスチャンスとなる可能性があります。

貸倒や犯罪のリスク

このように経済が大きな打撃を受けると、貸倒や犯罪などが増える傾向にあります。

貸倒については、
・急激に残高が増えた
・入金が滞りがち
・怪しい新規取引


などの場合には特に注意しましょう。

詐欺などの犯罪にも要注意です。
おいしい話には警戒心を強く持ちましょう。

ウィズコロナ時代の心構え

もうすでに皆さんお気づきかもしれませんが、この問題が完全解決するまでは相当の時間を要するのは間違いありません。
このまましばらくはコロナとともに生きていく覚悟が必要です。

新生活様式への対応は企業として欠かせない課題となりました。
ここで新しいビジネスモデルへの転換出来るが出来ないかは将来を大きく左右しそうです。

このような時ですから給付金や借入金を最大限利用するのは仕方ないことです。
しかしいつまでもそのようなものに頼っていては、根本的な経営改善はできません。
いつの時代もどんな時も、自分たちの力で利益を出すことが大事です。
我々も可能な限りそのお手伝いをさせていただきたいと思っております。