今回は雇用関係です。

1.雇用調整助成金

東日本大震災の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、
労働者の雇用を維持するために休業等をした場合、休業手当等の負担
相当額の2/3(中小企業の場合は4/5)が助成されます。
上限額は1人1日当たり7,505円です。

【主な支給要件】
(1) 雇用保険の適用事業主であること
(2) 生産量又は売上高などの事業活動を示す指標の最近3ヵ月間の月平均
値がその直前又は前年同期に比べ5%以上減少していること(※)
(※1)
青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、
長野県、新潟県の災害救助法適用地域に所在する事業所の場合、
以下の特例を適用しています。
① 最近3ヵ月としている生産量等の確認期間を最近1ヵ月に短縮
② 震災後1ヵ月の生産量、売上高等がその直前の1ヵ月又は
前年同期と比べ5%減少する見込みの事業所も対象
③ 事前に届け出る必要のある計画届の事後提出を可能に
(※2)
以下の事業主についても上記①及び②の特例を適用
※1の特例の対象地域に所在する事業所と一定規模以上
(助成金を受けようとする事業所の総事業量等の1/3以上)
の経済的関係を有する事業所の事業主計画停電の実施地域に
所在する事業所において、計画停電により事業活動が縮小した事業主

【具体的な活用事例】

・交通手段の途絶により、従業員が出勤できない、
原材料の入手や製品の搬出ができない、
来客が無い等のため事業活動が縮小した場合。

・事業所、設備等の修理業者の手配や部品の調達が困難なため
早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合。

・避難指示など法令上の制限が解除された後においても、
風評被害により観光客が減少したり、
農産物の売り上げが減少した場合。

・計画停電の実施を受けて、事業活動が縮小した場合。

・震災による事業所の損壊や福島原子力発電所の影響による
避難指示地域及び屋内待避指示地域に事業所が位置することにより、
事業所が休止になり休業を余儀なくされた場合。

※既に雇用調整助成金を利用している事業主の方が、
東日本大震災の影響を受け、休業を行う場合にも、助成対象になります。

2.雇用保険失業給付

震災による事業所の損壊や福島原子力発電所の影響による避難指示地域
及び屋内待避指示地域に事業所が位置することにより、事業所が休止になり
休業を余儀なくされた場合、激甚災害の指定に伴う雇用保険の特例により、
賃金を受けることのできない労働者は、離職していなくても、失業給付を受
けることができます。

(基本手当の支給を受けることができる日数)
受給資格に係る離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間
及び離職の理由などによって決定され、
90 日~ 360 日の間でそれぞれ決められます。

(支給額)
基本手当の日額は、原則として離職した日の直前の6 か月に毎月きまって
支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180 で割って算出した金額の
およそ50~80%(60 歳~ 64 歳については45 ~ 80%)となっており、
賃金の低い方ほど高い率となっています。
基本手当の日額は年齢区分ごとにその上限額が定められており、
現在は次のとおりとなっています。
30 歳未満      6,145 円    30 歳以上45 歳未満  6,825 円
45 歳以上60 歳未満   7,505 円    60 歳以上65 歳未満  6,543 円

どちらも企業が従業員の雇用を継続するための支援策で、
一時休業になったとしても、大事な人材を解雇したくない場合に有効です。

雇用保険の給付の特例に関しては、失業していなくても受給可能ですが、
一度雇用保険の受給資格は清算されるので注意が必要な場合もあります。

最寄りのハローワークが相談窓口になります。