一昨日のことになりますが、ワイキューブが倒産しました。
代表者の方は多数の本を出版していたことでも有名です。

代表的なものは
こちら

と、こちら。

どちらもわたしが読んだのは結構前でしたが、なかなか衝撃的な内容でした。
ほとんど共感できる素晴らしい内容の本でしたが、
一部の主張に気になる点が何点かありました。

・できれば社員は全員毎朝タクシーで通勤させたい。
・一人の社員に年間1千万の遊ぶために予算を計上した。
・最大の投資は人材である。
・使った経費はまたみんなで稼げばいい。

ある意味こういった考え方は大切で、
経営者の考え方になくてはならない部分もあります。

しかし無駄に経費を使うことだけが人材を育てることではないですし、
その育てた優秀な人材も、会社が傾いてちょっと待遇が悪くなった時に、
その会社に留まるかどうかは別問題です。

何事も攻めと守りのバランスが必要です。

お金を使い従業員を厚遇して、会社のブランド化を図るという
攻めの部分も社長の大事な仕事です。

しかしいざという時に、会社と従業員を守れるように
財務体質を強化しておくという守りの仕事も同じくらい大事な仕事です。

ピークの売上が46億円に対して、負債総額が40億円とのことですが
こちらの財務担当者はなにをしていたのでしょうか?

いえ、恐らく財務に詳しい相当な数の人間が社長に忠告したはずです。
このままでは会社がダメになりますと。

著書の内容からして、代表者が聞く耳を持たなかったのだと思いますが、
結果としては、お粗末な経営になってしまったと言えるでしょう。

せっかくの憧れの企業も、ブランド力も、
バランス感覚が無かったことと、守りの意見を聞けなったことにより
全て水の泡です。

本当に残念な話です。
この一点以外はとにかく素晴らしい考え方でしたので、
私個人としても非常に残念です。

こういった考え方で、バランス感覚のある経営者がもっと増えれば
日本はまた必ず立ち直れると思います。

攻めと守りのバランス感覚、

大事にしたいものです。