先日ある会社の社長から次のような相談を受けました。

「兄が自営で仕事してるんですが、今度仲間と3人で会社を設立するかもしれません。いかががなもんでしょうか?」

詳しくお話をお伺いすると、出資割合は3分の1ずつ。
中心はお兄さんの仕事をほかの2人が手伝うようなかたちのようです。

あまりお勧めできないと申し上げました。

まず自分が中心になる会社である場合は、株式の出資割合は過半数は必ず超えるようにすることが重要です。過半数を持っていればほとんどの決議は自分一人でできます。ところが過半数を他人に持たれた場合はすべて自分で決議するわけにはいきません。極端な話、自分が社長になったとしても残りの二人に仕事をすべて奪われて解任されてしまう可能性もあるのです。

やるのであれば過半数は自分で出資して、残りを出してもらって共同で経営するという形が望ましいと伝えました。

残念な話ですがこのような形態はほとんどもめ事が生じて、人間関係だけでなく自分のやってきた事業さえも危うくなります。せっかくのお仲間と今後も上手にやっていくためには最初からもめる原因を断つことも大事なことなのです。

今はお互い信用できる仲でも、時の流れとそれぞれの状況の変化によって、立場や信頼関係は変わってしまいます。

共同で会社を設立するメリットがあるのは、よほどの相乗効果が期待できる場合や多額の資金が必要で会社形式なら募集が可能な場合などです。

自分の事業を法人化する場合は自分だけで設立しなければ、いつの間にか自分の事業が他人のものになってしまっているかもしれません。
絶対に注意が必要です。